出生前のダウン症のマウスに神経細胞を増やす化合物を与えることで、生まれてくるダウン症の子供のマウスの大脳皮質が成熟し、学習能力が改善することが分かりました。

 

京都大学の荻原正敏教授らの研究グループが9月5日に見付けました。

 

 

出生前のダウン症のマウスの大脳皮質に影響する

ダウン症学習能力改善

 

根本的なダウン症の治療法ではないが、生まれてくる前のマウスの神経細胞を増やす化合物を投与することで、生まれてくるダウン症マウスの学習能力が改善することがわかりました。

 

ダウン症は、21番目の染色体が一本多くあるために起こります。

 

染色体が一本多くあることで、遺伝子が過剰に働き、神経細胞の増殖を抑えてしまいます。

 

その影響により、ダウン症は、知的障害や先天性の心臓病を引き起こします。

 

今回発見した化合物は、神経細胞の増殖を促進する化合物です。

 

ダウン症のマウスの神経細胞が増えることで、通常のマウスと同水準の学習能力になるとわかりました。

 

ダウン症とは? Wiki情報

ダウン症候群(ダウンしょうこうぐん、英: Down syndrome)は、体細胞の21番染色体が1本余分に存在し、計3本(トリソミー症)となることで発症する、先天性疾患群である。多くは第1減数分裂時の不分離によって生じる他、第2減数分裂時に起こる。新生児に最も多い遺伝子疾患である。

症状は、身体的発達の遅延、特徴的な顔つき、軽度の知的障害に特徴づけられる。若いダウン症成人の平均IQは50ほどであり、これは8-9歳の小児と等しいが、これにはばらつきが見られる治療法は存在しない。教育と早期ケアによりQoLが改善されるであろう。

ダウン症は、ヒトにおいて最も一般的な遺伝子疾患であり、毎年1000出生あたり1人に現れる 。

 

臨床で妊婦に使うハードルは高い!

今回の実験でダウン症の出生前治療につながる可能性はあります。

 

しかし、妊婦や胎児の安全性や社会的な合意を得るまでには、まだ道のりが長いとのこと。

 

まずは、脳梗塞などの治療のための開発を目指すとのこと。

 

やはり、研究で成功しても、安全性や社会性などの合意を得るまでには時間がかかるようですね。

 

現在は、出生前診断で染色体異常が確定した人の9割が人口妊娠中絶をしている背景があります。

 

もし、今回の神経細胞の治療薬が臨床で使われるようになれば、妊娠の継続に至るケースも増えてくるでしょう。

 

今後、母体への影響や、薬の投与の時期、量などを長期的に確認するなど、様々な課題はあるでしょう。